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【コラム:リサーチ】"半歩"先を行くリサーチって?--覚えておきたい7つのポイント

[08年05月19日]

リサーチに関するコラムは今回で2回目となりますが、前回は「ここだけは押さえたい。ネットリサーチのつぼ」と題し、市場概況とリサーチをする上で最低限意識しなくてはならない4つのポイントを説明しました。

今回のコラムでは、その"半歩先"を行くための細かい戦術のようなものを紹介したいと思います。
リサーチは良くも悪くも、調査の内容次第でその結果が大きく変わってきてしまいます。
たった半歩先かと思われるかもしれませんが、この半歩が非常に大事なのです。


1. 体験する

製品やサービス、またウェブサイトのデザインや使い勝手などを、
自社と競合で比較する際に気をつけなくてはならないポイントです。

自社製品やウェブサイトを知らない、もしくは使っていない方はあまりいないと思いますが、忘れがちなのは競合製品についても利用してみる事です。
使ってみる事で競合と自社との違いが見えてくることがあります。そうすると、新たに仮説や検証をしなくてはならないポイントを見つけ出すことが出来ます。

また、選択肢の抜け漏れチェック、表現方法の不一致による認識のズレを見つけ出すためにも、体験する事は非常に重要です。


2. なりきる・妄想する

最近では、「ペルソナ」という言葉を頻繁に見るようになりました。
ペルソナとは、調査から得られたデータをもとに、象徴的なユーザーモデル(架空の人物)を作成することですが、ユーザーモデルを設定することで、プロモーションのプランニングや広告クリエイティブの制作が具体的かつ効果的になると言われています。

上記したように、ペルソナを行う意味はその消費者(ターゲット)の立場になりきることにあり、最近では4P分析だけではなく、マーケティング要素を顧客視点で分析する4C(※1)分析の重要性が語られています。(※1)4C分析・・・顧客価値(Customer Value)、コスト(Cost)、利便性(Convenience)、コミュニケーション(Communication)の4要素からなる分析手法。

「ユーザー中心の・・・」、「ユーザーの立場から考えた・・・」などという表現をする企業が増えてきていますが、ユーザーの立場になって考える事は予想以上に難しいものです。
自分では、なりきっているつもりでも、結局は自分自身が想像しうる範囲を抜け出せないケースが多くあります。

もちろん、これがも全てを解決してくれる完璧な手法というわけではありませんが、リサーチを少しでも実りのあるものにする為には、なりきり、想像し、。どんなになりきっても、想像しても各個人が持つバイアスを極力完全に消し去ることは不可能と言っても過言ではありませんが重要となってきます。
しかし、私の経験上、これをやるとやらないとでは調査の質が大きく変わってくるように思いますきます。


3. 欲張らない

これは、各設問における分析軸を一つに絞るということです。

多くの場合、調査料金はその設問数とサンプル数によって決まっている為、設問数やサンプル数が増えると調査料金が高くなります。

一番困るのが、調査表を設計し終わり設問数を数えると11問というケース。
基本的に調査料金は5問か10問のテーブル料金制であるため、11問の場合15問、もしくは20問分の調査料金がかかってしまうことになります。

そこで生まれる発想が、2つだった設問を無理くり1問にしてしまう方法です。
絶対ということはありませんが、私の実体験(失敗経験)からもお勧めできません。
対策としては、最も優先度の低い設問を1つ削る、もしくはお金よりも調査から得られるデータの価値に重きを置き、15問(もしくは20問)料金で実施する事が妥当でしょう。

4. 手間を惜しまない

誰だって仕事の効率化を図りたいのは当然であり、インターネットリサーチが普及している背景はここにあったりもします。
ここで言う手間を惜しまないとは、ずばり「自由回答を恐れない」という事です。

自由回答は、集計にも分析にも多くの時間を要します。それに比べ、選択式の設問であれば調査結果をグラフ化することが容易な為、調査結果を視覚的に理解することが出来ます。

ただし、「貴重なデータは、そう簡単に手に入るものではない」のです。

もちろん苦労すれば必ず報われるというわけではありません。"自由"回答であっても、調査設計時に想定していた域を超えることのない意見ばかりが集まってしまう事も残念ながらあります。

しかし、デザインを評価しているユーザーの中には、「最先端な感じがする」と感じるユーザーもいれば、「ダサカッコいい」と思っているユーザーもいる可能性があります。この2人の当該商品に対するイメージは全く異なるものですから、当然のようにプロモーションのアプローチ方法(補給方法など)も当然のように変わってきます。
これを選択型の調査にしてしまうと「デザインが良い」でくくられてしまい、表層的な調査結果となってしまいます。

つまり、抽象的な表現を細分化し、"ユーザーの言葉で説明してもらう"事で、ユーザーへのアプローチ方法を明確化する事が出来るのです。

5. 建前ではない本音を引き出す

心理学者であるユングは、潜在意識による認識は、氷山の一角に過ぎず、人間の行動における95%は無意識の状況下で行われている』と述べました言われています。
つまり、人は考えるよりも感じて行動しているという事です。意識するという行為は考えという行為につながり、そして人は考えると理屈を語りたがる傾向があるようです。
こうなるともう本音とは呼べず、もうそこは建前や理屈の世界です。

回答者に考えさせない方法としては、画像を使ったコラージュ法などがありますが、一般的な調査についても、選択肢の数やその表現方法をわかりやすくする事で調査の質は変わってくるでしょう。

また、人は誰だって自分にとってマイナスとなるような発言は控えたいもので、これについても本音ではない建前を答えさせてしまう可能性があります。
インターネットの特徴が匿名性にある事を考慮すれば、グループインタビューなどに比べれば消費者の本音を引き出しやすい環境にはありますが、それでも回答者の心理状態を考える事が調査の成功には必要となるでしょう。


6. 多角的に考える

消費者調査は各設問単位で分析するだけでも、多くの気付きを提示してくれる有効的なマーケティングツールです。
ただし、それだけではなく複数の設問から得られる結果を多角的に分析することでさらに見えてくるものがあります。

基本的なところで言えば、「利用しない理由+どうしたら利用するか」や「利用している理由+どうしたら利用していなかったか」などが挙げられます。
この他にも、「利用意向」と尋ねる際は、商品やサービスにおける細かい評価(商品コンセプト、価格、パッケージなど)を同時に調査することで、何が利用意向につながっているのか、逆に利用意向が低い製品はどういった要素が原因なのかを把握することが出来ます。

7.  感性を信じろ!

調査は有益なマーケティング手法ではありますが、決して完璧なものではありません。リサーチの利用意向が高かったからといってその商品の成功が約束されるというものではありません。
要は傾向を把握する為のものなのです。

絶対ではない以上、私たちはこうも考えなければなりません。

「自分の感性を信じろ!」

調査における仮説出しの重要性は前回も述べましたが、消費行動の95%が無意識に行われている以上、仮説出しにも感覚的なものが求められます。
個人、チームで共有した仮説の検証に向かって最低限のポイントを押さえて調査を進めることが良いのではないでしょうか。


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