【コラム:セキュリティ】なぜ、セキュリティ対策でコンバージョン率が向上したのか?
最近のネットマーケティングでは、SEOやリスティング広告など、集客面にフォーカスされていました。今後はランディングページをどのように見せるのか(LPO)、エントリーフォームでいかに離脱を減らすのか(EFO)が重要になってきます。そうした中、集客した顧客をコンバージョンさせる手段として、心理的不安を解消させる「見えるセキュリティ対策」を導入し効果を上げた事例が増えてきています。
最新のセキュリティ対策でコンバージョン率が上がった事例
・トレンドマイクロ、ウイルスバスターの更新完了率が8.4%向上
・Oisix(おいしっくす)、最新のSSLサーバ証明書で閲覧したユーザの新規登録率がそうでないユーザに比べ16%多くなった
この2社は、今までも堅牢なセキュリティ対策を行っていました。しかし、今までのセキュリティ対策はリスク回避を目的に導入されていました。最新のセキュリティ対策の中では、エンドユーザの心理的な不安を解消し、結果的にコンバージョン向上につながるものがあり、導入効果向上の実績が増えてきております。
エンドユーザの不安
総務省の通信利用動向調査(H19)によると、インターネットで物品・サービスを購入しない理由として、「必要ない、興味がない(43.9%)」「実際に商品を見て買いたい(29.6)」が1位、2位にあげられております。この人たちをネットで買い物させるのは至難の業でしょう。
続いて、「クレジット番号情報を流すことに不安がある(19.1%)」、「商品の受け取りや返品で信頼できない(16.6%)」、「個人情報の保護に不安がある(16.4%)」となっています。つまり、約2割のエンドユーザが心理的な不安を抱えているから、ネットで買い物をしないということがわかります。逆に、心理的な不安を解消してあげられるものがあれば、潜在顧客が増え、コンバージョン率向上や売上向上につながります。
心理的不安を解消するソリューション
①最新のSSLサーバ証明書を導入する (EV SSL証明書)
個人情報やクレジットカード番号を入力する画面、ログイン画面などには一般的にSSLサーバ証明書が使われます。SSLの機能は、通信データを暗号することと、第三者機関によって認証された企業のウェブサイトであることを証明することです。
調査結果*によると、約7割のエンドユーザがウェブサイトの安全性を確認する際に、SSLに対応していることをあげており、非常に重要なセキュリティ対策となっています。
最新のSSLサーバ証明書は、アドレスバー等が緑色になり、Webサイトの運営者名を確認することが簡単になっています。これは、EV SSL (Extended Validation) 証明書といい、認証局とブラウザベンダの業界団体で設けた統一ガイドラインに基づき発行されます。EV SSL証明書のインストールされたウェブサイトでは、一目でセキュリティ対策がされていることがわかりますので、多くのエンドユーザに対して安全性をアピールすることができます。
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②セキュリティのマークを表示する
セキュリティマークには、「プライバシーマーク」「ベリサインセキュアドシール」「ISMSマーク」などがあります。いずれかの資格や権利を持っている企業では、ウェブサイトに必ず掲載すべきです。
例えば、前出のトレンドマイクロでは、「ベリサインセキュアドシール」の掲載場所を何パターンか試した結果、コンバージョン率が変動することを確認しております。そして、「ページを開いてすぐにシールが目に入るページの右上に置いた時が、最も効果的だということがわかりました」と語っています。
プライバシーマーク
<トレンドマイクロ>
同社では、個人向け製品「ウイルスバスター」のショッピングサイトを2004年3月に開設し、以来、コンバージョン率を向上させるため、あらゆることを試してきました。そして、2008年11月にベリサインのEV SSL証明書を導入し、利用を始めました。
「購入完了率に関しては、0.4%の向上が見られました。この数字を少ないと思われるかもしれませんが、これまであらゆるコンバージョン向上のための取り組みを行ってきて、もう上がらないかもしれないと思っていた上での数字なので、大きな意味があると評価しています。また、更新完了率に関しては、8.4%と大幅に向上しました」
<Oisix(おいしっくす)>
有機野菜などの安全食材を宅配するオイシックスは、同社で販売する食品同様、ショッピングサイトでも第三者による審査を通して安全を確保するため、サイトの開設以来ベリサインのSSLサーバ証明書を利用していました。2008年11月には、ベリサインの EV SSL証明書を導入し、緑色のアドレスバー等によりウェブサイトの安全をよりわかりやすく示した結果、おためしセットの購入率が16%アップ、定期宅配サービス「おいしっくすくらぶ」の加入率も7%アップという成果を得ました。
「EV SSL証明書といえども、技術的には従来と同じSSLによる暗号化なので、大きな効果があるとは思っていませんでした。しかし、おためしセットの購入率は、アドレスバーが緑色になる組み合わせでアクセスした人が、そうでない人よりも16%も多くありました。「おいしっくすくらぶ」の加入率も7%向上しました。これほどの効果があるとは驚きました」
ネットで買い物をしない理由として、2割のエンドユーザがセキュリティ等の心理的不安をあげています。この心理的不安を解消させるためには、「セキュリティを見える化」することです。セキュリティを見える化した結果、コンバージョン率向上や売上増加につながります。
SEOやリスティング広告のコストに比べると、既にセキュリティ対策をとられているウェブサイトであれば「見えるセキュリティ対策」は非常に手軽に始められます。今後、「見えるセキュリティ対策」を採用する企業が増えてくるでしょう。
*エンドユーザ意識調査 (マクロミル/日本ベリサイン 2008年11月調べ)
https://www.verisign.co.jp/ssl/products/survey/result.html
EV SSL証明書導入事例
https://www.verisign.co.jp/ssl/casestudies/index.html
Profile
上杉 謙二(うえすぎ けんじ)
日本ベリサイン株式会社
プロダクトマーケティング本部 SSLマーケティング部
シニアプロダクトマネージャ
国内通信会社にて、セキュリティやホスティングサービスのマーケティングや
セールスエンジニアを行う。
現在、日本ベリサインにてSSLサーバ証明書のプロダクトマーケティングを
担当している。

