【コラム:アクセスログ解析】コンビニから学ぶアクセスログ解析 ~CAPDサイクルという考え方~
昨今、WEBマーケティングにおいてアクセスログ解析に対する関心は高まっている。
WEBプロモーションでの施策が“行き詰まり”傾向にあり、受け皿であるサイト側の改善という方向にマーケッターの目は向いてきているのだ。
しかしながら、アクセスログ解析への関心は高まっているものの、どんなツールを使えば良いのか分からない。
ツールの使い方が分からない、計測したデータが良いのか悪いのか分からない、どんな指標で見ればいいのか分からない等々、そのハードルの高さからまだまだ浸透しきれていない現状を多々耳にする。
本コラムでは、コンビニにおけるマーケティングを例とし、WEBアクセスログ解析を紐解いていく。
まず、アクセスログ解析の基本は、サイトに訪れたユーザーの行動を分析することである。
どんなモチベーションでユーザーはサイトに来ているのか、どんなページを見て、どんなアクションを起こしたのか、どのページから入り、どのページから出て行ったのか、これらの行動を分析することが基本となってくる。
人は、行動するとき必ず、何か目的を持って行動する。
意識しているにせよ、無意識にせよ、人が行動するには心理が働く。その人の心理をいかに分析するかが重要になってくるのである。
マーケティングの基本は、人の心理を読むこと、“マーケティングは人の心の中で起きている”まさにこれである。
そういう意味では、アクセスログ解析は心理学に似ている。
例えば、皆さんはコンビニに行くとき何を目的に行くだろうか。
コンビニには、あらゆる目的を持った人が来る。
お弁当を買いに行く、ジュースを買いに行く、化粧品を買いに行く、雑誌を立ち読みする、宅急便を送りに行く、公共料金の支払いに行く、様々な目的を持ってコンビニにやって来るはずだ。
これをアクセスログ解析に置き換えてみる。
サイトに訪れるユーザーはどんなモチベーション(目的)を持ってやってくるのだろうか。
商品情報を閲覧しに来る、商品を購入する、サービスの調査をする。
ユーザーごとにモチベーションは違う。
それを顕著に表したのが、検索キーワードだ。
購入を考えているユーザーなら「商品名 購入」というキーワードで検索するだろうし、商品の価格を調べたいユーザーなら「商品名 価格」というキーワードで検索する。
これをサイトに訪れるユーザーのモチベーションごとに、適したコンテンツを用意しておけばどうだろうか。
「商品名 購入」というキーワードで検索したユーザーに、全く別のコンテンツを見せたらどうだろうか。結果は想像に難くない。
コンビニ業界では、一見、無造作に商品が陳列しているように皆さんは思うかもしれない。
しかし、各社共にこういったユーザーのモチベーションを研究し、適した陳列をとっているのである。
防犯カメラは、タダ単に万引き防止のために設置しているわけではない、カメラの映像を元にユーザーの行動特性を分析し、マーケティング戦略に活かしているのである。
これを顕著に表したのが、「ゴールデンライン」と呼ばれるものである。
コンビニ業界の方は、ごく当たり前のように耳にする言葉かもしれないが、一般の方には馴染みのない言葉だろう。
これは、日本人の平均身長から割り出された目線の高さの位置(135センチだそう)にあたり、あらゆるユーザーの行動特性を分析した結果、最も商品が目に入りやすい目線の高さに陳列してある商品が売れるということだそうだ。
実際、とあるテレビ番組で検証した結果、なんと6割近いユーザーがこのゴールデンラインに陳列してある商品に手を伸ばしたそうだ。
アクセスログ解析では、コンビニのカメラに映るユーザーの行動=ユーザーのページ遷移にあたる。
コンビニ業界の行動特性分析のように、WEBマーケティングでもユーザーの行動特性(遷移パターン)を分析し、各サイトごと、各業界ごとのゴールデンラインを見つけていくことが重要となってくる。
ゴールデンラインに、最も売りたい商品・サービスを置いていたら・・・結果は明らかだろう。
また、コンビニでは入店したら必ず目に付く入り口付近の陳列台は、商品の売れ筋も良く、各メーカーの憧れにも近い場所だそうだ。
アクセスログ解析では、入店してすぐ目に付く場所=ファーストビューにあたる。
よって、いかにファーストビューでユーザーに訴求するかが大切になってくる。
入り口ページのファーストビューより下部の、マウスをスクロールしなくては表示しない位置で訴求しても効果はそれほどでない。
一般的にマウスをスクロールして、ページ下部までじっくり読み込むユーザーは5割にも満たないと言われ、半分以上のユーザーはファーストビューを見てサイトを判断する。
よって、ファーストビューでは最も売りたい商品やサービスを的確に訴求する必要があるのである。
WEBサイトと、コンビニ業界で唯一違うのは、コンビニは入口・出口が一つしかないのに対して、WEBサイトは入口ページ・出口ページが複数あるという点だ。
検索エンジンの拾われ方や実際に検索するキーワードによって、一つのWEBサイトでも入口ページは複数に渡る。
また、サイトから出ようと思えばどのページからでも出られてしまう。
ここがWEBサイトの難しい点ではあるが、逆に言えば複数の入口があったとしても、原則で、ユーザーのモチベーションごとにファーストビューをしっかり設定しておけば良いのである。
これを可能にするのがLPOだ。
最近ではGoogleが開発したWebsiteOptimizerが話題で、日本国内においても数多くのLPOツールが存在するが
ここでは、LPOプラクティカ(http://www.lpo-practica.com/)を紹介する。
このツールは流入してくる検索キーワードや、広告ごとにページ内の表示させるクリエイティブを変更できる。
すなわち、ユーザーのモチベーションごとにファーストビューを切り替えることが可能で、前述の入口ページのファーストビューでしっかり訴求することができる。
これまで、アクセスログ解析は小難しい、よく分からない等のまだまだ負のイメージが強かった。
しかし、今回取り上げたコンビニマーケティングのように考えれば実はそれほど難しくないのである。
“マーケティングは人の心の中で起きている”。
これが、WEBの世界でも基本であることに変わりない。
後は、この分析を定期的にサイクル化して回していくのである。
ビジネスの世界では良く「PDCAサイクル」という言葉を耳にする。
これは、Plan、Do、Check、Actionの4つのステップを回すことを意味する。
しかし、アクセスログ解析をする上でのサイクルは違うと著者は考える。
アクセスログ解析においては「CAPDサイクル」が当てはまる。
Check、Analyze、Plan、Doのステップだ。
Check(チェック・計測)し、そのデータをAnalyze(分析)し、Plan(改善計画)を考え、Do(実行)に移す。
このサイクルを繰り返すことで、サイトはより良いものへと生まれ変わるのである。
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