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【コラム:広報】企業広報から学ぶ、人と人-企業と消費者の信頼関係とは?!

[07月25日]

あなたは恋人を信頼していますか?

例えば、信じていた人に裏切られた時、一度壊れてしまった信頼関係を取り戻すことは、なかなか容易ではないでしょう。

父と息子、親友同士、彼と彼女。店員と客。人と人。

それらは確かな「信頼関係」によって成り立っているのです。
そこに「不信」が生じると、全ての信頼関係は消えてしまいます。

それは、人に限った事ではありません。
企業においても同じことが言えるのです。

昨今、不祥事が発生した際の対応に失敗し、社会的信用をなくす企業が増えてきました。
今、企業における広報の重要性が再認識されはじめています。

記憶に新しいところで、シンドラー社の死亡事故、事故への対応を迫られ、「閉じ込められた乗客による危険な行為などが主因としたうえに、「会社の方針」で情報提供さえ拒否をしました。
これだけの大企業が、不信感の募る対応を繰り返したことで、消費者の企業に対する信頼感は完全に裏切られたかたちとなりました。

また、不二家が消費期限切れの牛乳をシュークリームに使っていた問題について、社内調査で把握しながら公表しなかったことが今年1月に発覚しその後、消費期限を社内基準より延長表示していたことなど品質管理上の問題が次々と明らかになりました。

これらに共通していえることは、企業が自分たちの立場を守ろうとすればするほど、メディアには叩かれ、消費者からの信頼も薄れていったという事です。

1982年、全米を震撼させる「タイレノール」事件が発生しました。
これは、J&Jの医薬品部門で全米の主力商品だった家庭用鎮痛剤「タイレノール」にシアン化合物が混入され、シカゴを中心に7名もの死亡者が出るという大事件でした。

J&Jと「タイレノール」を扱うグループカンパニーのマクニール社は早急な対応を迫られました。
J&Jは直ちに、全世界から「タイレノール」商品の回収をし、マスコミを通じた積極的な情報公開や新聞への警告広告の掲載、対策チームの設置など、莫大な資金を投じ、迅速に対応しました。

陣頭指揮をとったJ&Jバーク会長(当時)は、単なる危機管理としてこの事件に対応するだけではなく、「消費者への責任」を第一に考えた体制をとったのです。
これは、J&Jの企業理念である「我が信条」の第一の責任に立ち返った意思決定でした。

事件終結後、この事件における対応は、一般消費者をはじめ政府・産業界からも高く評価されました。
そして、全社員が一丸となった努力の結果、予想をはるかに越える速さで市場を回復していったのです。

現在も同社における社会からの信頼度の高さは、説明するまでもないでしょう。
死亡者まで出た事件にも関わらず、結果的に、J&Jの消費者を一番に守ろうとした誠意ある対応により、企業は社会から更に強い信頼を得たのでした。

この事件に見るように、企業が守るべきものは、自分たち「企業」ではなく、「消費者」だということを常に念頭において、経営に向かわなければなりません。
不祥事が起きた時にこそいかに誠意を表すことができるか、真の企業価値が試され、上記のように対応次第では、消費者からの信頼を高める場合さえあるのです。

そのためには、日ごろから万が一の時に備えた対策を、社内において共有しておく事が大切です。
タイレノール事件が起こった1982年とは時代も大きく変わりました。

消費者は「ブログ」などの個人メディアを持つ時代になり、情報だけが早歩きします。
このような時代、企業広報はより迅速で誠意ある対応を求められるでしょう。

あなたは、恋人に信頼されていますか?人と人。企業と人。
規模は違ったとしても、大切なところは変わらないのです。

何事においても、常に1対1、「誠意」こそが信頼につながるものなのです。


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