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【コラム:リサーチ】ここだけは押さえたい。ネットリサーチのつぼ。

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[08年03月18日]

消費者の趣味嗜好は多角化しており、時代はプロダクトアウトからマーケットインの時代へと変化しいると言われています。
こういった時代においてビジネスを成功させる為には、天性の勘か的確な分析が重要となってきます。
天性の勘は神に任せるとして、本コラムでは分析手法の一つとしてアンケートリサーチについて述べていきたいと思います。

◆ネットリサーチが与えた影響

まずは、リサーチ業界全般について触れてみたいと思います
インターネットリサーチの登場により、リサーチ業界には3つの大きな変化が起きました。

1つ目は、調査料金が安くなった。
1サンプルあたりの料金で言えば、電話調査・郵送調査の5分の1、訪問調査の10分の1程度に押さえることが出来ます。もちろん、電話調査や郵送調査、そして訪問調査などにはそれぞれの特徴があり、一概に料金だけで比較する事は出来ませんが料金の安さがネットリサーチの大きな特徴である事は間違いないでしょう。


2つ目はスピード。
リサーチの実施には、問題提起-仮説出し-設問設計-調査票の作成-回収-集計という長い工程が必要です。
ネットリサーチではこれらの工程がオンライン化、デジタル化する事ができ、回収・集計にかかる作業が大幅に短縮されます。
この中でも特に重要なのは集計にかかる手間でしょう。
アナログデータとデジタルデータの間には、集計や加工、そして複製(共有)といった面で大きな違いがあります。
個人的には、アナログデータは結果だけでなく、結果の中にある心理的な要素を垣間見る事が出来るため嫌いではありません。
しかしながら、時間と忍耐力にはやはり限界がありますので、デジタル化が重宝されるのです。
(※アナログ調査を行った場合でも、リサーチ結果の集計しデジタル化を依頼する事は可能です)


そして3つ目は、リサーチが身近な存在になったこと。
これは上記した料金とスピートに影響を受けていますが、アンケートリサーチの敷居は下がったと言えるでしょう。
また、敷居が下がったのではなく身近な存在にせざるを得なかったという一面もあると思います。冒頭でも触れたように、消費者のニーズが複雑化している時代において、リサーチの必要性が高まっているのかもしれません。

ここ数年、調査会社が提供するネットリサーチだけでなく、株式会社はてなが2004年から提供している「アンケートはてな」でははてなユーザーに対して、択一式かチェック式かなどを選択できる簡易リサーチをリーズナブルな料金で実施する事が出来ます。
(「アンケートはてな」の詳細についてはこちらを参照してください)
また、ここ数年の間で利用者数が非常に伸びているブログでは、アンケート用のウィジェットを使用することで簡易的なリサーチを自らのブログ内で行う事が可能です。
このように、一般ユーザーでも簡易的なアンケートリサーチが出来る時代になってきています。

◆リサーチ市場の現状

前章ではネットリサーチの特徴がリサーチの敷居を下げ、リサーチが身近なものとなったとお伝えしましましたが、身近な存在となったネットリサーチの市場規模はどうなっているのでしょうか。

日本マーケティング・リサーチ協会(以下:JMRA)が発表したデータによると、2006年におけるネット調査の売上高は280億円となり、前年比16%の成長率となっています。リサーチ事業全体の伸張率が前年比5%であることを考えると、いかにネットリサーチが拡大しているかが伺えます。
また、国内市場調査(アドホック調査)手法別の売上構成比をみても、ネット調査は2003年の14.1%から2006年には29.1%と全体の約3割を占めるまでに成長しています。

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◆覚えておきたい4つのポイント~リサーチを失敗させない為に~

納期が短縮され、調査費用が安くなったとは言え、調査を失敗したいと思っている人は決していないはず。私自身ももちろんそうです。ただし、悲しい事に必ずしもリサーチが全ての問題を明らかにし、課題を解決してくれるとは限りません。

失敗しないリサーチの為にいくつかの注意点をご紹介します。


①目的の明確化

ニ―ズ探索調査なのか、商品コンセプト評価なのか、それともターゲットを決めるための調査なのかを明確にする必要があります。
※複数の調査目的が必ずしも共存できないわけではありませんが、最も重要な目的を設定する事が大事です。


②自社/自社商品の立ち位置を把握する

マーケットとは非常に難しいもので、消費者のニーズを掴んだら必ず成功するというものでもありません。
そこには競合という存在が立ちはだかります。
自社はリーディングカンパニーなのか、それとも2番手なのかによっても調査内容は大きく異なります。


③まずはデータ収集。そして分析。

情報化社会となった現代、世の中には情報があふれています。
その為、まずは既存のデータ(2次データ)を出来る限り集め、その調査が本当に必要かどうかを見極めめる必要があります。そして、もし必要であると判断すれば、事前に集めたその2次データの分析を行います。
もし、そこから課題や仮説を見つけることが出来ればリサーチの成功率は飛躍的に向上するでしょう。

また、自社と競合のサービスを比較する際は、自社と競合のサービス比較を徹底的に行います。
こうすることで、どこに注力して競合比較をするべきかが明確になり、結果としてアウトプットも有益なものとなります。


④適切なサンプル数の確保

サンプル数は多いに越した事はないのは知っている。けれども予算が。。。
多くの方が悩まれる問題です。

統計学上では、母集団比率(※1)が50%で5000サンプルの調査を行った場合、調査結果の誤差率は±1.4%と言われています。
この調査を100サンプルで行おうと思うと、誤差率は一気に上がり±9.8%となってしまいます。
つまり、回答率が50%であった結果は40%とも60%とも考えられるのです(※2)。
[参考文献:「マーケティングリサーチの論理と技法」(上田拓治/日本法論社/2004年)]

これは誰が見てもリスクのあるリサーチと言えるのではないでしょうか。

調査サンプル数は調査条件により様々ですが、一般的には400~500サンプルで調査を行うケースが多いように思います。

(※1)個々のカテゴリが母集団で占めるであろう割合の意。標本比率とほぼ同義で使われる。
(※2)信頼係数95%で計算。

以上、私自身の経験を踏まえて述べてみました。
私自身もそうですが、調査設計を進めていく過程で全体像を見失い
調査すること自体に固執してしまう事があります。


失敗から学ぶことはたくさんあります。むしろ、失敗から学んだ事は成功から学ぶことよりも重要だったりします。
しかし、有限な時間をお金を無駄にしない為にも、上記4つのつぼを押さえつつ、
リサーチ結果をどう使うのかという点を強く意識してみてはいかがでしょうか。




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