【コラム:セカンドライフ】:実は「人を集める必要」ない?--アクセス数だけに頼らないSecond Life活用法
「セカンドライフって、人が全然居ないよね」と言うことをよく耳にしますが、確かにそのとおりかもしれません。既に皆さんご存知かと思いますが、セカンドライフ上では1SIMあたりに同時に訪れることができるユーザーの数には限界があり、せいぜい数十人とされています。
WEBサイトであれば同時に数十人しかアクセスできないものなど、価値にならないでしょう。でもセカンドライフではそれが限界、ということが既にサーバーの関係上決まってしまっています。
ではWEBサイトだけ作っていれば、セカンドライフのような3D空間は必要なく、ネット上での表現は完全なのでしょうか。
セカンドライフでよく言われるメリットの方に目を向けると、「3D空間だからこそできる表現方法」というものがあります。例えば車。TVCMやホームページでは、車の性能を説明することや、走っている映像を見せてかっこよさを伝えることなどはできても、実際に車に乗せることはできません。
3D空間であればそれが可能です。アバターの歩くスピードとの違いや、曲がるときの感覚だったり、運転席から見る景色だったりと色々な表現ができます。この表現力をうまく活用できれば、セカンドライフの中で人を集めなければいけない、という前提は簡単に覆ります。
1SIMで企業告知を展開したとしても、同時に訪れるのはどんなに多くても数十人です。セカンドライフ以外の場所でどういった伝わり方をさせればいいか、そちらを重点的に考える必要も出てきています。セカンドライフだけで完結させない手法ということを実践している事例も増えてきているので、そちらをご紹介させて頂きます。
デジタルの根性(日本テレビ)という番組を見たことがありますでしょうか。セカンドライフ内で収録をした動画を使って番組を構成しています。セカンドライフ内での収録は公開で行っており、「Shiodome Island Life~汐留島生活~」というブログで事前に日程を告知しています。こちらは明らかにセカンドライフ内で人を集めることを効果指標としているわけではありません。これをコンテンツとして利用することで、新しいテレビ番組を作っています。
一方ヤマハ発動機では、去る10月26日開幕の東京モーターショーに先駆けて、10月24日に東京モーターショー連動キャンペーンと題して「Yamaha Motor」をオープンしました。こちらでは出展モデル18車種を無料配布しました。バイクを無料配布しているという、現実世界では考えられないキャンペーンを連動で展開することにより、現実世界だけでは表現しきれないキャンペーン展開を成立させています。
フジテレビでは、「FUJITV SL SHOP」というものを展開していて、現在はバレーボールのマスコットキャラクターを置いて、バレーボールの放送を盛り上げるツールとして利用しているようです。元々存在している「FUJITV WEB SHOP」のEC販売促進に繋がるかどうかの実験としての意味合いなどが、設立の理由のようです。
これらの事例では、セカンドライフ内で人を集めるということを念頭に置いていません。TVや現実世界でのイベント、またタイムリーな話題の告知をフックとしたイベントとWEBとの連携の実験など、さまざまな使われ方がされています。
セカンドライフ内で人を集めるのではなく、そこで表現できることや、そこで起きている出来事を利用して、他の告知にうまく活かしています。TVやイベント、スポーツなど、ユーザーが現実世界で触れるものと、セカンドライフという仮想世界を同時に展開することで、新しい表現ができています。
セカンドライフで実現できること、その可能性はまだまだあります。もちろん、セカンドライフ内で人を集めてこそ成立する企業や企画というのも中にはあると思います。ですが、活用法の発想を変えるだけで、企画の幅が広がることでしょう。
セカンドライフに対して懐疑的な方々には是非再度見方を変えて考えてほしいですし、可能性を感じている方は、是非こういった発想も念頭に置いてみてはいかがでしょうか。
佐々木麻位也(株式会社セプテーニ)

