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【コラム:SEM】オーバーチュア新プラットフォーム「Panama」プロジェクトの実態 - 第3回「Panamaの評判 10のポイント」

[07年04月03日]

アメリカにて2006年後半に公開、正式にローンチ・移行作業が行われ、2007年2月には目玉機能であるアルゴリズムの変更が行われたYahoo! Search Marketing(日本ではOverture)の新広告プラットフォーム(コードネーム:「Panama(パナマ)」)。

Webマーケティングガイドでは【オーバーチュア新プラットフォーム コードネーム「Panama」の実態 -第1回「Panamaとは?」-】【オーバーチュア新プラットフォーム コードネーム「Panama」の実態 -第2回「Panama(パナマ)で何が変わったのか?」-】と新プラットフォームがどのようなものなのか、詳しい仕様等を交えてお伝えしてきたが、アメリカでは公開後日がたち、分析のデータや使った感想などがネットに出回り始めている。

今回はそのデータや記事、実際に筆者が使った体験をもとに、Yahoo! Search Marketing新プラットフォーム (Yahoo! Marketing Solutionsと呼ぶらしい)に関するポジティブな点・ネガティブな点について10ポイントにまとめてみた。


【ポジティブな点】


  • 品質アルゴリズム導入により、これまでより質の高い広告の表示が可能

  • Google と同じように、キーワードとクリエイティブなどの品質を加味した上で順位やCPCが決まる仕組みのため、これまでより「ユーザーに選ばれる」広告が必然的に表示されるようになってくる。

    それによるクリック数の増加や、ユーザーの信頼性の向上が見込めるだろう。
    (詳しい仕組みは第2回のランキングシステムを参照)

  • 画面表示(ユーザーインターフェイス)が大幅に向上

  • 今回のアップグレードの際、従来のサーバーレスポンスを待つかたちに加えてAjaxを実装している。これにより、スライドバーやページの切り替えなしで表示を切り替えられるグラフ類など、よりインタラクティブなデザインに仕上がっている。

    特にCPCと予測クリック数をリアルタイムにマウスで操作できるスライドバー(第2回を参照のこと)は、それぞれの目標について直感的かつ視覚的に調整が可能なため、非常に良いと感じた。

  • ひとつのキーワード/フレーズに複数の広告クリエイティブの設定が可能に

  • 今回の変更でGoogleと同じようにアカウント構造が「キャンペーン>広告グループ>キーワード」に変更され、広告クリエイティブ(タイトル&説明文)は広告グループにひもづくことになった。広告グループには複数の広告クリエイティブが設定でき、どのクリエイティブの効果が良いかテストを行うことができる。

    新しいプラットフォームではキーワードと広告クリエイティブの関係がCPCや順位に影響するため、このようなテスト機能を利用してよりユーザーにとって最適な広告を表示し、効率的な運用が可能にする必要がある。

  • 広告の審査が迅速に

  • これまで数日間必要だった広告の審査プロセスが一部を除いて簡略化され、迅速な広告の追加が可能になった。広告を配信するまでのタイムロスが小さくなり、より柔軟な運用プランの作成が可能になるだろう。

  • 地域ターゲティングがより詳細に

  • これまでほとんどできなかった地域ターゲティング(広告を配信する地域を指定)が実装された。
    これにより地域にひもづいたキーワードなどをある一定の地域にのみ配信することで、余計な露出を抑え、CTRを改善することが可能になる。

  • より詳しい効果測定機能

  • これまでコンバージョントラッキングによる効果測定のみだったが、新プラットフォーム(上位アカウント)では通常のコンバージョン測定のほかに、コンバージョンにたどり着くまでのプロセスとコンバージョンを測定する「Event tag」などが実装されており、コンバージョンという直接効果に加えて間接効果を測定し、アカウント全体の効率化が可能に。


【ネガティブな点】


  • アルゴリズム導入により順位決定ロジックの透明性がなくなった

  • アメリカの掲示板で書き込まれている新プラットフォームへの不満のひとつがアルゴリズム導入による順位決定ロジックの透明性の低下。これまで入札価格の調整によって自在に順位の変更が可能だったが、キーワードと広告クリエイティブ、CTRなどを加味したアルゴリズムの導入によってコントロールがしづらくなった。

    ただしこれはあくまで広告運用側の意見であり、検索ユーザーからするとより自身が求めていることに近い広告が表示されることとなり、メリットがあるだろう。

  • 新プラットフォームから旧プラットフォームのデータを参照できない

  • 新プラットフォームにアップグレードした後、旧プラットフォームは過去運用データの閲覧専用になるが、その過去データは新プラットフォームからは接続できず、別々にログインしてデータを参照しなければならない。

    過去データといってもアップグレードした直後は最近のデータも含まれるので、複数ログインを行わなければならないのは面倒である。

  • 画面の遷移が多い

  • Ajax が実装されているにもかかわらず、1画面1階層(キャンペーン、広告グループなど)のため、キーワードや広告クリエイティブを編集するための画面遷移の回数が非常に多い。

    キャンペーンの設定を変えるというシンプルなタスクでもGoogle AdWordsとYahoo!新プラットフォームでは倍近くYahoo!の遷移が多い。情報の分類と操作性はトレードオフな部分もあるため一概には言えないが、今後ユーザビリティに関して修正が行われていく可能性はあるだろう。

  • バルクアップロードの問題

  • 筆者はまだ確認していないが、一部のアカウントではバルクアップロードに関してシステムエラーなどが発生しているようだ。システム的な原因のほか、新フォーマットへの対応などの人的な原因も考えられるだろう。


いくつか使い勝手の部分でネガティブな意見が上がってはいるものの、新しいプラットフォームの実装機能について肯定的な意見が多いと考えられ、ローンチ直後のシステムとしては非常に安定している印象を受ける。

今後日本で同じインターフェイスや機能が実装されるのかは執筆段階では明らかではないが、 GoogleよりもOvertureがシェアで勝っている日本の市場で今後どのようなインパクトがあるのか、そしてどのような評価が挙がってくるのか注目だ。

今後もアメリカでの実績データや実際に運用している人たちの反応のほか、日本でテスト導入が行われ次第、最新のレポートをお伝えしていきたい。


参考:


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