【コラム:Web2.0活用】企業での情報共有において、SNSやBlogは単なるツールに過ぎない
今では企業内の情報共有ツールとして、企業内SNSシステムやオフィス向けWikiなどの、いわゆるWeb2.0技術を活用したシステムがたくさんリリースされている。
社員同士のコミュニケーションの活性化や情報共有のために、それらのツールを導入する企業が多いようだ。
しかし、そういった情報共有システムを導入したものの、まったく使われず形骸化し、使うのをやめてしまった、という例も少なくない。
導入後本当の意味で、それら企業内Web2.0的情報共有システム導入に成功し、軌道に乗せることができた企業は、まだまだ少ないのではないだろうか。
ちなみに先日発表された「インターネット白書2007」によると、企業のWeb2.0技術の導入は「今後利用予定がない」が回答の半数を超えたという。
「経営陣の理解」(22.6%)、「ITスタッフの技術や理解」(22.1%)が導入の障壁や課題となっているそうだ。
多くの企業がそれに気付き始め、Web2.0技術の導入に二の足を踏む企業が増えてきているのだろう。
企業のWeb2.0技術の核となるであろう、社員ブログや企業内SNSなどの情報共有・コミュニケーションツール浸透の課題も、まさにここにあるといえる。
しかし、これらの課題を乗り越えなければ、まず企業内の情報共有は成り立たない。
なぜなら、企業内情報共有やコミュニケーションツールの活用は、基本的に面倒なものだからだ。
「システムを入れるだけなんだから、技術者がいればカンタンじゃないか」
という声も聞こえてきそうだが、ところがどっこい、いくらWeb2.0技術を利用したシステムだと言っても、システムはあくまでシステムであり、導入しただけではまったく機能しないのだ。
コンテンツありきのWeb2.0技術であり、情報共有システムなのである。
ちょっとWeb2.0技術関連の会社の企業内ブログや企業内SNSのパンフレットを見ると、
「導入したら社員間のコミュニケーションが活性化した」
「ある社員の抱えていた課題が、Q&Aシステムで顔も知らない社員のおかげで解決できた」
「提案書を使いまわすことによって、全社的に提案書のレベルが上がった」
などといった美辞麗句が並べ立てられた事例集があり、「導入すればウチの会社はすごいことになるんじゃないか」と、単純に思い込んでしまいがちだ。
しかし、この時それらのメリットにばかり目が行くためか、重要なことを見落としてしまうことが多い。
それは、「企業で役立つ情報を共有するためには、情報を受け取るだけではなく、継続的に発信させ続けることと、受け取りやすいよう情報を体系化していくことが必要になる」ということだ。
「情報を発信させること」は、かなりのパワーと工夫が必要である。
企業内SNSひとつとっても、
「mixiだって流行ってるし、SNSは楽しいからみんなどんどん書くでしょ」
なんてことはSNSに詳しい情報共有システム導入担当者の妄想にすぎない。
社員のなかでブログやSNSに興味がある人なんて一握りかもしれないし、そもそもインターネットが苦手、キライという社員もいるだろう。
PCそのものを毛嫌いしている人がいたっておかしくない。
嬉々として企業内SNSを導入しても、最初は目新しさから興味を持って書き込む人がいたものの、だんだん書き込み者が決まってきて、次第に誰もコメント返信しなくなっていき、最後には誰も使わなくなった、というのはよくある話だ。
つまり情報共有の浸透でキモになるのは、もともと面倒で活性化するはずのない各自の情報発信を、いかにしてモチベーションを上げて自然発生的に行われるようにしていくか、であろう。
そのためには、まず
そもそも利用してもしなくても良いものは、興味がなければ誰も利用しない。
忙しい社員ならなおさらだろう。
そこを乗り越えて全員に利用させるためには、業務の運用ルールを変えて取り組むぐらいのインパクトが必要である。
特に最初が肝心で、「利用し情報発信するのが当たり前」という企業風土にしてしまうのだ。
本日の作業内容を必ずブログに書かせる、なんてのもいいかもしれない。
インターネット白書にあった「経営者の理解」がWeb2.0技術導入の障壁となる理由は、費用対効果が見えにくいという面もあろう。
しかしこの場合の「理解」とは「経営者自身が全社的に情報共有システム利用の号令を出すぐらいの当事者意識を持つこと」というようにも解釈できるように思えてならない。
経営者が関与しないで、情報共有システム導入担当者が声高にシステム利用メリットを訴えるだけでは、利用は長く続かないであろう。
全社的に優先順位を最大限に上げて取り組むことが重要なのだ。
ほかにも情報共有システムを軌道に乗せるポイントはいくつかある。
次回からは、それらを一つずつ解説していきたい。
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