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【コラム:ポータル】ポータルという戦場に臨むISP~5社それぞれの特徴と戦略まとめ~

[11月07日]

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「これからはYahoo!がライバルです。」という文言が一際目を引く、@niftyの広告が展開されたのが今年の夏。

Yahoo!か@niftyかという選択を見るものに迫る、強烈なクリエイティブだった。

ここで注目したいのが、同じくISPの大手、BIGLOBEやOCNではなく、あくまでもYahoo! を意識しているという点だ。これは、強みを持っている「通信」ではなく、挑戦者の立場である「ポータル」という土俵で勝負を仕掛けていくという、決意表明なのだろう。

@niftyだけではない。今、ISPの在り方が変わってきている。単純なインターネット接続サービスからの脱却を狙い、各社それぞれの戦略の元、サービスの幅を広げている。

ここでは、各社が最も力を入れているポータルサイトという軸で、戦略の片鱗を見ていきたい。


■ BIGLOBE
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NECビッグローブ株式会社が運営するインターネット・サービス・プロバイダー。2006年7月に日本電気の一部門から独立した。

子会社にインターネット広告会社である株式会社サイバーウィングを有しているため、広告商品の開発に先んじている印象を受ける。行動ターゲティング広告を始め、動画広告モバイル広告の開発・販売にもいち早く取り組んでいる。

また、広告商品の基盤となるインプレッション数確保のため、ユーザーの来訪を促すサービスにも力を入れている。

たとえば、10月にリリースされたユーザー向けサービスだけでも、下記のとおり、多彩なバリエーションを揃えている。

<CNETに掲載されたものより選出>


上記で見てきたように、BIGLOBEは、ユーザー向けのサービスを充実させ、ユーザーの来訪・定着を図り、訪れたユーザーに広告を見せて収益を上げるという、基本に忠実なポータルビジネスを展開している。


■ au one ( 旧DION )
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KDDIが2007年9月27日に運営を開始したポータルサイト。

「EZトップメニュー」、「DION」ポータルサイト、「DUOGATE」ポータルサイトを統合し、
「au one」という新ブランドを冠してリニューアル。au携帯とPCが一体化したポータルサイトが誕生した。

具体的な特徴としては、
「携帯電話・PCともに同一のメニューを分かりやすいビジュアルで表示し、知りたい情報やコンテンツなどに、視覚的にも操作的にも簡単にアクセスすることが可能な統合ポータルサイト」(※1)
となっている。

一番の売りは、2Gバイト容量を持つ無料のメールサービスだろう。
サービス名は「au one メール」。グーグル社の「Gmail」の技術を活用し、PCとau携帯の双方からの利用が可能となっている。2Gバイトいう容量がどれほどかというと、
「200文字程度のメールを毎日20通、送信又は受信しても、一生分のメールが保存できる」(※2)
という。

「Gmail」の技術を利用したことで、携帯電話に届いたメールをずっと残しておくことが出来るだけでなく、メール内検索を使えば、キーワードを打ち込むだけで過去のメールから必要なものを探し出すことが可能。また、機種を変更した場合も、データも保存しておくことも出来る。
(※3)

今まではどちらかというと影の薄かったDIONが、au oneとして新たに息をふきかえした印象を受けた。auという圧倒的なブランド、そして携帯電話というメディアの強みを前面に押し出したサービスが今後も期待できる。

(※1)KDDI ニュースリリースより
(※2)KDDI ニュースリリースより
(※3)ITmedia参照


■ so-net
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ソネットエンタテインメント株式会社が運営するインターネット・サービス・プロバイダー。

ソネットエンタテインメント(So-net)は5月10日、2007年3月期(2006年4月1日~2007年3月31日)の連結決算を発表した。FTTH会員が増加した接続事業と、得意分野に集中したポータル事業が順調に推移し、過去最高の売上となった。(※4)

上記の通り、5月には「過去最高の売上」という形で好調な決算を発表しているSo-netの戦略を見ていく。

So-netの中期事業計画において、ポータル事業はキャラクター、アジアエンターテイメント、テレビ番組表などのエンターテイメントコンテンツを拡充する「トップニッチ戦略」を基本方針とする。あらゆる情報を集める大手ポータルに対して、得意のキャラクター、ゲーム、アニメ、CGMコンテンツビジネスなどで差別化を図りたい考えだ。収益は、写真や地図といったCGMコンテンツの広告商品化、SNSのB2B事業化などで確保する。ゲーム内広告の参入も検討しているという。(※4)

「トップニッチ戦略」
つまり、So-net=エンターテインメント特化型ポータルというイメージを前面に押し出すことで、他ポータルとの差別化を図り、着実にその売上を伸ばしている。

インターネット接続事業の将来的な鈍化にそなえ、今後も接続事業依存から脱却を狙い、現在売り上げの30%強を占めているポータル事業だが、今後は接続事業50%、ポータルで50%を目指しているという。(※So-net広報談)

(※4)CNET参照


■ OCN
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OCN(Open Computer Network )は、NTTコミュニケーションズが運営するインターネット・サービス・プロバイダー。

一番の強みは、同社の子会社でもある、NTTレゾナント社が運営するgoo、ならびに株式会社ぷららネットワークスが提供するぷららとのサービス連携であろう。
同社は、昨年8月にポータルサイト「goo」とインターネット接続サービス「ぷららネットワークス」を子会社化している。

OCNおよびぷららユーザーがアクセスした際に、それぞれのサービスの会員向け情報が自動的に表示されるようになっている。

今年7月には、OCNとgooがID連携を開始し、1度のログインで、gooのWebサービスの利用を可能にし、その逆もまた実現した。

OCN会員を中心としたNTT Com「マスターID」ユーザーは、「マスターID」による1度のログインで、「goo」会員向けサービスの利用が可能になります(シングルサインオン)。(中略)
また、「gooID」による「マスターID」対応サービスへのシングルサインオンも同時に実現し、NTT Comグループのコンシューマ向けWebサービスの相互利用を推進していきます。(※5)

また、ブロードバンドサービス会員数が大きく伸びたことで、OCNは順調に会員数を伸ばしている。

2006年3月末  :609万人(うちBBユーザは488万人)
2007年6月末  :635万人(うちBBユーザは520万人)

上記で見たように、OCNは、NTTコミュニケーションズグループのサービス連携と、ブロードバンド加入者の増加を背景に、会員数を武器に利用者の拡大を図っていく。

(※5)NTTCOM ニュースリリースより


■ @nifty

最後は、冒頭いささか挑発的とも取れるような広告展開を紹介した@niftyの戦略をみていこう。
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富士通の連結子会社であるニフティ株式会社が運営するインターネット・サービス・プロバイダー。

今年9月には、今まで三種類に分かれていた会員(「@nifty会員」「@nifty ID登録ユーザー」「PLEASY(プリージー)利用者」)を「@nifty会員」へ統合し、会員基盤を強化した。

@niftyといえば、ISPの老舗になるが、アバウトミーというプロフィール作成サービスを5月にローンチしたかと思えば、ニコニコ動画のパロディとも取れるニフニフ動画を今年6月にリリースし、業界を騒然とさせた。
老舗というよりは、あたかもベンチャー企業のような大胆な取り組みから、@niftyの「本気度」が伺える。

ニフティ株式会社、和田社長は言う。

「簡単に芽が出る商売は簡単にだめになる。すぐに収益にはならないだろうから、積み上げていくべき」
「ワンクールやってみて、反省してやり直すぐらいの機会がいるだろう。サービスと収益を同時に考えていたらニフニフなんか出てくるわけなくて、人が寄れば市が立つ、という信念でやってもらうしかない」
「無名の利活用分野を有名にするには、トライアンドエラーを繰り返すスピードを早めるしかない。1年先には利活用分野が"倍"になっていればいい。売り上げでもページビューでも。使った金以外はね(笑)」(※6)

(※6)ITmedia参照


以上主要なISPポータルの戦略をみてきたが、各社、会員というリソースを最大限活用し、その中で独自性を打ち出し、他社との差別化を図っている。

このように斬新なサービスがユーザーに供給されることで、ポータルサイトという枠組みに新たな選択の幅が生まれることを期待している。


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